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2008年12月11日

『釣りと漁業権』

最近、某関西釣り具チェーン店の釣果情報でチラホラ聞く話題ですが・・・。


内容は、「釣り人が入る釣りポイントに漁師が網を入れて操業する。」というモノです。


コレ、アングラーにとっては、歯がゆい問題ですね。
アングラーが釣りをするポイント(=魚がたくさんいる場所)で漁師さんが漁をするのですから。

当然、網を入れられると、あらゆる魚が根こそぎ獲られてしまい、このポイントは死んでしまいます。
(時間が経てば魚が再び戻って来る場合もありますが・・・。)


ここでの問題は、スポーツフィッシング(ルアー釣りだけでなく、エサ釣りも含む釣り全般)と漁業の関係ということですね。

漁師さん達は、海に関して魚を獲る権利。すなわち“漁業権”というものを持っています。

残念ながら、一般アングラーはこの漁業権を持っていません。
この1点が大きな問題だと思います。


漁業権とは、『一定の水面について、一定期間、特定の漁業を排他独占的に営む権利』という意味です。
くわしくは、Wikipediaでどうぞ。


この漁業権を持っている漁師さんが海や河川で魚を獲る優先権があるということになります。
(法的にも認められていますし・・・。)

よく、中・南紀の地磯にある立て看板に「イセエビ、アワビを獲るな!」とあるのは、この漁業権に基づいているワケですね。


漁業権を持たない一般のアングラーは、「海や河川で魚を釣らせていただいている」ということです。
現状、アングラーは、釣りをしている目の前で漁師さんに網を入れられても、文句は言えないという立場にあると言えるでしょう。


アングラーの中には、「海はみんなのものだから私達にも“魚を釣る権利”を!」と主張を行いたい方もいると思いますが、趣味・レクリエーションで魚を釣ることと、一家の生計を立てるために魚を獲ることの重みを考えると、残念ながら漁師さんを優先せざるを得ない部分はあると思います。


一般のアングラーが釣りをするにはたいてい漁港や埠頭へ行く事が多いですね。
漁港は誰のものかといえば、漁師さんを始めとする漁業組合のものですし、都道府県や国が管理していたりします。
アングラーは、こういった公共港湾施設へ「入れさせてもらっている」立場です。

最近、こと問題になっている漁港でのゴミ問題。
漁港での漁師さんが使う網などの漁具を踏み付けるなどの漁具被害。
漁港周辺の違法駐車による地元住民への迷惑行為。

いずれも一部の心無いアングラーが引き起こしている仕業です。
加えて言えば、このようなモラル低下も甚だしいアングラーが、“魚を釣る権利”を主張しても社会が理解してくれないでしょうね。

何はともあれ、アングラーのモラル向上が第一に挙げられると思います。
モラルを向上させてから、あれやこれやと権利主張をするのが筋かと・・・。


ただ、とあるケースでは、逆に漁師さんのモラルを問いたい部分もあります。

それは、漁師さんが海釣り公園で夜間操業するケースです。
海釣り公園は、子供達が安全に魚釣りをすることができるすばらしい施設です。
アジやイワシのサビキ釣りなどファミリーフィッシングを楽しむ最高の場所ですね。
海釣り公園の沖には漁礁などが沈められたりしていて、魚の居着きやすい環境が整えられています。

海釣り公園の釣果情報(本日、アジが爆釣!・・・など)を見たであろう一部の漁師さんが、海釣り公園が営業していない夜間に釣り公園の目と鼻の先の沖で操業する・・・これに関しては、違法行為ではないものの、漁師さんのモラルを問いたいものです。


海を取り巻く環境は、昔と比べてかなり変わってきていると思います。
マリンスポーツやマリンレジャーの多様化で、漁師さんとトラブルになることも多いそうです。

例えば、ダイビングポイントがアワビなどの漁場と重なっている場合、漁師さんがダイバーによるアワビの密猟を疑って「ここでダイビングをするな!」と、漁師さんとダイバーの間でトラブルになるケースがあるとか・・・。

そうした現状も踏まえると、スポーツフィッシングも含むマリンレジャーと漁業の関係を見直す時期に来ていると思います。





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この記事へのコメント
毎度~

いやーほんま、ほんま。
嫌らしいこと多いですよ!!

投げ釣りやエギングやってると、漁船が猛ダッシュで、飛んで来て、目の前に、網入れていきますわ。(岬公園裏)

あと加太大波止なんかも、飛ばしウキなんかで、マダイ狙ってる人らが、
40~50分投げ続けて、ちょうど、魚が1匹目上がり出した頃、漁船目の前、走って魚追い散らしてますね(゜レ゜)
特に年配の漁師に多いような。
清掃協力金、駐車場代まで盗ってるのに・・・

関空の件も、2回賠償金出たらしいですが、1家族あたり総額1億円。
家建てて、残りほとんど、飲み屋に消えたらしいです。船の新造や設備投資にはまわさなかったみたい、漁師が言ってました。

土地や水利権同様、漁業権も既得権の一つですが、
おかしな権利だと思いますよ!!認めないと漁師同士で血の雨が降るから
なんでしょうね?そんな気がします。

神明間~淡路間で釣ってると、漁師さんに教えてもらいましたが、
灯りをともして操業中の船と、岸に近い場所で無灯火で、網入れてる漁船の
違い何??って聞くと、無灯火は、対岸の漁港から来る密漁船だって(笑)
移動は、トップスピードですもんね!!ですから、PE持って逝かれるの密漁船が大方です、ご注意を!!
Posted by テツ at 2008年12月12日 00:58
>テツさん

こんばんは。

>投げ釣りやエギングやってると、漁船が猛ダッシュで、飛んで来て、目の前に、網入れていきますわ。(岬公園裏)

あっ! コレ、泉南でエギングをしていたときに、お隣りのエギンガーさんに聞きましたよ。
岬公園裏のシャローで網を入れてアオリイカを根こそぎ獲っていくそうです。
かなり岸近くまで来て網を入れるそうで・・・。

神明の橋の下でも、漁船が岸ギリギリを通っていくこともありますね。
何もそんなに岸に接近しなくても・・・と思いますが・・・。

おっしゃる通り、漁業権も既得権ですね。
まあ、漁業権がなければ、獲り過ぎで水産資源は枯渇するでしょうから、ある面では必要なこともあると思います。

ただ、何十年も昔と違い、釣りと漁業の関係もかなり変化していると思います。
漁業も後継者不足が深刻ですし・・・。
衰退していく漁業ですが、もしかしたら釣りなどマリンレジャーを上手く取り込めたら、新しい展開があるかもしれませんね。

まあ、しばらくはこの状況が続くのでしょうけれど・・・。

私も神明では、PEラインを切られないように、密漁船には気をつけます。
Posted by tsurucci★tsurucci★ at 2008年12月12日 20:37
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